神奈川県土地家屋調査士会佐川さんの訃報を聞き、元神奈川会副会長の佐川さんに哀悼の意を表したいと思います。
佐川さんは、神奈川会の研修部長、副会長、関東ブロックの研修委員などを歴任されましたが、関東ブロックを中心に他会より神奈川会に佐川あり、と知られるほどに研修に優れた能力を発揮された方でした。
もともとLECの講師を勤められて、その時からのお付き合いの上田政治連盟会長とともに本会の法改正の派遣研修で各支部をまわられて知り合いました。
支部研修の充実のため本会を学ぼうと初めて理事になった時、同じく初理事の佐川さんとともにいきなり研修部長、副部長を仰せつかりました。不安しかなくお願いして関会長、成田副会長と会食した際、なんでも思うようにやりなさい、と優しく突き放され、怖い怖い中山副会長に厳しくしごかれ、佐川さんと餅田業務部長がいなかったらというくらいに大変な思いをしました。
佐川さんは可愛らしい声や体形に反し、男気や包容力のある人で、責任感も強く、また仲間思いでした。実務経験の不足からその点がウイークポイントでしたが、多くの調査士が業務に軸足がある中、学問に秀でた佐川さんの研修視点は会員の短所を補うことができる稀有のものであったと思います。多弁にも関わらず傾聴力にも優れ、先輩、後輩の意見を自分の考えより優先することができる人でした。
ADRの資格試験勉強をきっかけに作った若手の勉強会グループが西本元連合会長に認められるほどであったのも佐川さんが講師であったおかげだと思っています。全視野的研修を元に、調査士の地位や環境の向上を目指した佐川さんの思いを、青年調査士会、違うアプローチではありますが政治連盟が、しっかりと受けとめてすでに大きな前進を遂げています。
連合会の要望で宮城県会の鈴木修会長のもとおこなわれた報酬額の本の執筆でも佐川さんは中心となりましたが、校了後鈴木会長の自腹による執筆者全員の東北旅行（なぜだったか、顔も見えない真っ暗な温泉に全員で浸かった記憶が）、
ソキア研修所での宿泊研修、関東ブロックや神奈川会の新人研修等、すべて研修絡みですが、佐川さんの思い出はつきません。病に倒れ、会員を辞められた佐川さんですが、神奈川会にとっても大きな損失であったと思いますし、このたび２度目の大きな喪失感を感じています。
カラオケが得意ではなかった佐川さんの「男はつらいよ」をもう一度聴きたかったな。
佐川さん、本当にありがとう。ありがとうございました。
（記事 湘南第一支部 岩倉 弘和）