【広報ニュース】 第8回しずおか境界シンポジウム

 東海地方の梅雨が明けて間もない、平成28年7月22日(金)、しずぎんホールユーフォニア(アゴラ静岡8階;静岡市葵区)において、“第8回しずおか境界シンポジウム”が、静岡県土地家屋調査士会(以下、静岡会)と公益社団法人静岡県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(以下、静岡公嘱協会)の主催、静岡新聞社と静岡放送の協力により開催されました。  

 今回は、“見えないモノが見えてくる? 面白すぎる境界線の世界!”をメイン・テーマに、土地家屋調査士の世界にあまりなじみのない一般市民をターゲットにした、これまでとはだいぶ特色の異なった催しとなりました。そのプログラムは、第一部の基調講演として、三遊亭鳳楽氏による落語「大家さん、この長屋はどうなってんです?」、日本で最初にパーソナルスタイリストという分野を創始された政近準子氏による講演「未来を開拓する装力とは? 見えてくる信頼の境界線」、東京土地家屋調査士会名誉会長である國吉正和氏による講演「土地家屋調査士ってどんな仕事?」に続いて、第二部では、パネリストとして、さらに浄土真宗教覚寺住職であり音楽活動もされている南荘宏氏を加え、SBSラジオのパーソナリティーを務める長谷川玲子氏をコーディネーターとして、各分野それぞれの視点から“境界線”を語り合うパネルディスカッションが行われました。ちなみに、第二部の模様は、SBSラジオの特別番組として公開録音がされました。

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 恥ずかしながら、筆者には、このようなシンポジウムの企画について、固定観念があったと言わざるを得ません。一般市民をターゲットにした広報活動の一環とはいえ、そこは我々の専門領域に関わる問題などを中心に据えるべきであろうと。正直に告白すれば、開催2か月前にこのシンポジウムの案内をいただいたとき、内容について、あまりピンとこなかったのでした。担当された静岡会栗田副会長も「どうなるか分からない」と言われていましたが、当日の会場は、ほぼ満席状態で、その参加者の半数以上は一般市民であり、その盛況ぶりを見れば、その懸念は、まったくの杞憂だったといって過言ではないでしょう。

 普段、テレビでしか落語を聴いたことのない身には、プロの話芸に生で接したことも新鮮であり、大いに笑わせていただき、また、それぞれの視点から語られるパネルディスカッションも、刺激的で、いろいろと考えさせられましたが、筆者にとって、なかでも出色で極めて印象的だったのは、政近準子氏による講演でした。知名度や信頼を築くための装いの境界線について、数々の事例を示された上で、可能性を最大限に広げ、これらを身に付ければ、社会にも影響力を与え、人生を豊かに制すると力強く宣言されましたが、そこには、自らの装いというものも、決して手前勝手なものではなく、相手に対する最上の心配りであり、自らの心映えを提示するものだという確固たる信念があるように感じられました。

 “境界線”というキーワードを切り口に、ここまで創意工夫を発揮した、楽しい催しを企画された静岡会と静岡公嘱協会の担当者の方々の計り知れない底力に敬意を表すとともに、身体(お財布も?)を張って自らのコーディネートを果敢に披露された静岡会桑原広報部長に拍手を送ります。  

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(記事 副会長 佐川 祐介) (写真 静岡会提供)

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