【広報ニュース】小田原市、真鶴町、湯河原町表敬訪問

 平成27年7月3日、神奈川県土地家屋調査士会と神奈川県土地家屋調査士政治連盟(以下、政治連盟)、公益社団法人神奈川県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(以下、県公嘱協会)は「空家等対策の推進に関する特別処置法(以下、空家対策特別措置法)」の施行に伴う空家対策への協力を提案するため、小田原市の関係部署と真鶴町及び湯河原町の各町長を表敬訪問しました。

 空家問題は“空家を取り壊せば解決する”という単純なものではなく、建物そのものの利活用や、跡地の利用など広く街づくりに関係するほか、建物や敷地の複雑な権利関係の調整や処理にも及ぶ問題です。  そこで土地家屋調査士は、不動産業者、弁護士、司法書士、建築士などの専門家とも関係が深く、また現場作業を伴う職業の特性上、現地調査に長けており、東日本大震災の被災地における建物の滅失に関する調査の実績があること、地域密着型の職業であり、地域の事情に精通している会員が多いことなどを説明し、主に以下の4点を要望いたしました。

 1、空家調査に土地家屋調査士を活用して欲しい  2、今後設置が予想される空家対策特別措置法第7条に規定された「協議会」    に加えてほしい  3、市民相談に土地家屋調査士を活用して欲しい  4、政策決定のプロセスで土地家屋調査士を活用して欲しい

また、県公職協会では空家に関する官公署からの相談を受け付ける体制をとっていることも併せてアピールしました。

小田原市役所訪問

日 時 平成27年7月3日 午前10:00から約1時間 出席者 小田原市      小田原市市民部地域安全課 遠藤課長、高田係長、北野主事      小田原市秘書室 薮田係長     土地家屋調査士      岩倉弘和会長、関田侃県西支部長、石井幸世副会長(政治連盟幹事長)      上田尚彦政治連盟副会長(広報部次長)、中川裕久広報部長(政治連盟      副幹事長)、山口宏幸制度対策特別委員長(政治連盟副幹事長)、      石内正彦県公嘱協会副理事長

 小田原市に関しては市に寄せられる空家に対する苦情、相談は年20件ほどで、現在のところ件数としてはあまり多くはありませんが、「生い茂った草木を何とかして欲しい」「害虫が発生して困っている」など近隣からの苦情が多く、空家対策特別措置法施行に伴い今後増加するだろう、という認識で一致しました。現時点では具体的な対策は行っていませんが、空家問題に関する関心は高く、今後検討するとのことでした。

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真鶴町 宇賀一章町長表敬訪問

日 時 平成27年7月3日 午後1:30から約1時間 出席者 真鶴町      宇賀一章町長、青木剛副町長      まちづくり課 菅野主幹     土地家屋調査士      小田原市訪問の7名と小田靖理事(広報部)      力石髙志県西支部副支部長  

 真鶴町では人口減少や「シャッター通り」といわれる空き店舗、またバブル時代に購入されたであろう別荘などが管理されずに放置されるケースなどが問題化しているとのことです。そこで町では「空家バンク」という空家情報を提供するサービスを開始したり、また「試住」と呼ばれる、ごく短期間試しに町内の空家に居住し、移住するかどうかを決める制度などを作り、これを利用した2世帯が町外から転入したそうです。「協議会」に関しては予算の問題などから、周辺市町と合同で設置できないか、との話もありました。  また、法務局が遠方で相談に大変時間がかかるため、空家に限らず登記に関する相談に乗って欲しい、との申し入れがありました。

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湯河原町 冨田幸宏町長表敬訪問

日 時 平成27年7月3日 午後3:00から約1時間 出席者 湯河原町      冨田幸宏町長      秘書広報室 村松室長、総務部地域政策課 内藤課長、      まちづくり部土木課 目黒主幹兼用地管理係長     土地家屋調査士      真鶴町訪問の9名  

 湯河原町では、空家対策特別措置法施行以前の平成26年3月1日に、空家に対する指導や代執行まで規定した、神奈川県内でも最先端の「湯河原町空き家等の適正管理に関する条例」が既に制定されていますが、空家問題の解決には至らず、依然問題になっているようです。具体的な手続きや協議会設置については、今後の課題であるため情報収集に努め検討していくとのことでした。  町長は土地の境界や地図整備の重要性を充分理解されており、過去に分筆登記がなされないまま造成された私道の町への移管作業や整備に苦労している、などの実例についても説明されました。

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 今回の訪問では、いずれの市町でも「他の市町の情報が知りたい」と言う声があり、今後も地元の会員が相談や情報提供を行う旨の説明をし、表敬訪問を終了しました。  多忙のところ時間を割いていただいた小田原市、真鶴町、湯河原町の関係者の方々と、企画、調整を行った小田理事、山口制度対策特別委員長に感謝いたします。  

(記事 広報部長 中川 裕久) (写真 広報部理事 小田 靖)

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