神奈川県土地家屋調査士会の新たな委員会として令和5年度より、GNSS推進特別委員会が発足致しました。「GNSS」とは英語のGlobal Navigation Satellite Systemsの略語で、和訳は「全地球衛星測位システム」です。衛星からの電波信号を専用アンテナと受信機で受信することによって高精度な経度緯度や座標を求めることのできる仕組みです。
この委員会は県内に電子基準点を設置し、多くの土地家屋調査士がGNSS測量を行い、不動産登記規則第77条第1項第8号の復元性のある世界測地系の地積測量図を作成できるようにすることを目的の一つとしています。その第一歩として調査士会館の屋上に電子基準局を設置しました。予算の都合もあり専門の工事業者に発注するのではなく委員会のメンバーの手作業で工事を行いました。
昨年より横浜地方法務局と協議を重ね、電子基準点設置の許可をいただき又、協定を結びました。今回横浜地方法務局西湘二宮支局の屋上に、民間の電子基準点を国有財産(法務局の庁舎)を使用して設置したことは全国初の偉業であります。この事は日頃より法務局と調査士会の信頼関係がなくしては進められなかったこと、GNSS推進特別委員会のメンバーの尽力があったことによって実現できました。
設置工事当日は、前横浜地方法務局 不動産登記部門 首席登記官 岩田豊彦様の立会のもと、2時間ほどで完了しました。今後の流れとしては、3日間の観測を行い収集したデータを国土地理院に送付、国土地理院で基準局としての性能を評価・級別に登録。その後、民間等電子基準点として土地家屋調査士が使用することができるそうです。
GNSS推進特別委員会の田村委員長は今後も法務局と条件に合う庁舎に電子基準点を設置すべく、協議を進めていきたいと考えているとのことでした。
今回の電子基準点の設置が全国的に普及するための先例になったことは神奈川県土地家屋調査士会の功績ではないでしょか。
令和6年3月27日 横浜地方法務局西湘二宮支局 屋上にて
(記事・写真 広報部次長 稲葉 健太郎)