【広報ニュース】神奈川県立相原高等学校 出前授業~後継者を増やす努力を~

 相模原支部では、平成26年(2014年)から毎年3月に、神奈川県立相原高等学校(以下、相原高校)で出前授業を行っています。昨年と一昨年はコロナ感染拡大の影響で残念ながら中止となりましたが、今年は3月16日の水曜日、無事に7回目となる出前授業を行うことが出来ました。

 

 今回のスケジュール

    9:40 集合

  10:00 座学 土地家屋調査士って何?

  10:35 測量実習 逆打ち作業の体験

  11:45 自動追尾トータルステーション(TS)の実演

      3Ⅾスキャナの実演

      ドローンの実演

  12:10 教室で質疑応答

  12:20 終了

 

 以前の相原高校は、JR横浜線の橋本駅前にありましたが、リニア中央新幹線の新駅建設に伴い1.6キロメートルほど離れた場所に移転しました。今回は移転後の新校舎で行う初めての出前授業となりました。

 

後継者を増やす努力を

 

祝!出前授業受講者初の合格者!!

 平成27年の出前授業(2回目)を受け、土地家屋調査士に興味を持ってくれた卒業生(当時、環境緑地科2年生)が、昨年の土地家屋調査士試験に合格しました。土地家屋調査士の受験者と若い後継者を増やす目的で始めた出前授業ですが、始めた当初は「結果が出るまで10年、10回はかかるだろう」と予想していました。予想より早く8年で合格者が出たことをうれしく思います。

 

第3の進路として

 相原高校の卒業生の進路は、就職と進学(主に専門学校)がほとんどですが、それ以外の第3の進路として「(土地家屋調査士などの)資格を取得する」を提案します。土地家屋調査士になる場合、以前は「まずは土地家屋調査士事務所に就職し、実務経験を積みながら受験勉強する」方法が主流でしたが、仕事と勉強の両立は並大抵のことではありません。もちろん、不合格を重ねれば、それだけ社会へ出るタイミングが遅れてしまうリスクはあります。しかし、測量技術や機器が発達し、作図などの特殊技能が不要となった現在、「まずは資格を取る。その後、土地家屋調査士事務所に就職し、じっくりと実務経験を積む」という方法の方が有効なのではないでしょうか。

 

業務継承者として

 後継者のいない事務所が増えています。理由は様々ですが、中には「補助者(従業員)は既に試験に合格しているけれど、事務所を継ぐ気がない」という会員もいます。独立開業するには大変なエネルギーが必要です。当たり前ですが、本職(土地家屋調査士)と一緒に補助者も年を取ります。タイミングを逃すと「開業して今更苦労するよりも、今まで通り給料をもらう方がいい」という気持ちになってしまうのだと思います。「20代前半の合格者」が増えれば、たとえ実務経験がなくとも補助者として採用し、事務所の業務継承者とすることも可能なのではないでしょうか。今後、後継者のいない事務所を「居抜き」で譲渡する方法も検討したいと思っています。

 

最後に

 いまだコロナが終息していない状況で、出前授業開催に尽力してくださった教職員の皆様、他支部の会員にもかかわらず、女性会員の代表として参加してくれた湘南第一支部の田中明子会員、3Ⅾスキャナ持参で毎年必ず参加してくれる県西支部の山口宏幸会員に、この場を借りて御礼申し上げます。

 

 

真新しい校舎。

 

 

 

 

 

 

 

実習場所の全景。

 

 

 

 

 

 

 

初めて触れるトータルステーション(TS)におっかなびっくり。

 

 

 

 

 

 

 

会員の指導の元、TS、プリズム共に生徒が操作します。

 

 

 

 

 

 

 

器械がちょっと高すぎました。

 

 

 

 

 

 

 

プリズムの気泡管に集中、集中。

 

 

 

 

 

 

 

3Ⅾスキャナの説明をする、県西支部の山口宏幸会員。

遠くからありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

女子生徒と談笑する湘南第一支部の田中明子会員(左端)。

遠くからありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

ドローンの実物に興味津々。

 

 

 

 

 

 

 

ビィーーーーーーーーン。

最後に上空から記念撮影を行いました。

 

 

 

 

 

(記事・写真 相模原支部 支部長 中川 裕久)

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