間違いだらけの防災対策。
これまで当たり前だと思っていたことは間違っていた。そんな目から鱗の講演会に参加してきました。2月14日(土)に厚木市で開催されました。「市民防災研修会 間違いだらけの防災対策」とインパクトあるテーマで、「とりあえず避難所に行けば安心」という常識は、実は今の日本では通用しないということがよくわかりました。講師が語った、無理なく続けられ、かつ確実に命を守るための「備え」とは。テンポよくわかりやすく、時に笑いありで講演が進みました。
まず強調されたのは、「生活を邪魔しない」工夫です。例えば、揺れた時だけ扉をロックする「耐震ラッチ」や、インテリアに馴染むデザインの住宅用消火器の導入です。また、停電時に自動点灯するライトを設置することで、感震ブレーカーによる暗闇での避難遅れを防げます 。防災を特別なイベントではなく、日常のストレスを最小限に抑えた「ライフスタイル」として定着させることが、長続きする秘訣だと感じました。
次に、避難の厳しい現実についても重要な指摘がありました。厚木市の避難所の収容能力は全市民の1〜2割程度であり、自宅が無事であれば「在宅避難」が基本となること。一方で、水害のリスクがある地域では、ハザードマップで「想定最大規模」を確認し、高齢者は「レベル3」、一般人は「レベル4」の段階で躊躇なく避難を完了させなければなりません。これは、厚木市に限ったことではなく、どの自治体でも起こりうることです。
さらに、命を救った後の「生活維持」が真の課題です。震災後の「災害関連死」は非常に多く、その背景には不衛生なトイレ環境やストレスがあります。生命線となるのは「トイレの備蓄」と「カセットコンロ」です。これらを最低3日〜1週間分、普段の食品を多めにストックする「日常備蓄(ローリングストック)」で備えることが、関連死を防ぐ鍵となります。避難用リュックがあるから安心、ではありません。壊れない家づくり、死なないための備え。
行政の「公助」だけに頼るのではなく、自らの命を守るための環境づくりに、今日から一歩踏み出そうと強く思いました。
(記事 湘南第二支部広報員 矢野 貴之)