外出時にマスクを手放すことができない日々が日常となり、この原稿を書いている現在、2年半程になりました。日頃使っているビジネスバックに個包装のマスクが3、4枚入っています。これは、自分で使う以外にもマスクを忘れてしまった人や、耳ひもが切れてしまった人の緊急用にと重宝しています。また、リュックにも3、4枚、自動車にひと箱と、すぐ手の届くところにマスクがあるのが日常です。
ここで、マスクの使用で困っていることがあります。わずらわしい、息苦しい、夏は汗でビチョビチョになる等々ありますが、私の場合は、人の顔が、より覚えられなくなったということです。はじめてお会いした人の顔の半分くらいがマスクによって隠されてしまうため、その部分の情報が減ってしまうためだと思っています。
私は、もともと人の顔を覚えるのが苦手なのです。よく刑事ドラマで目撃者が人相や体型、服装について、こと細かに証言するシーンがありますが、一瞬見た人について語るなど到底できそうにありません。私は全く役に立たない目撃者となってしまうことでしょう。似顔絵作成への協力など、到底できそうにありません。おそらく、たぶんおそらくですが私の場合、ものごとを絵(画像)として記憶する能力がとても低いのではないかと思っています。
そこで、話をもとに戻しますが、マスクにより顔の情報の半分くらいは隠れてしまい、その人の特徴についての情報が半減し、なおかつマスクというパターン化された制服姿、つまり皆同じ白い四角いマスクの上に顔の上半分のみがみえるため、より個人の顔を覚えることが難しくなっているのではないかと思います。
ですから、2度、3度目にお会いしたのに、初対面のようなとんちんかんな対応をしてもお許し願いたいのです。立会いのとき、測量の立入り・立会いのお願いと2度もお会いしている方でも再度、お名前を確認させていただくのはよくあることです。
また、こんなこともありました。車を運転中にひょろっとした体型の二十歳くらいの男の子で、いまどきの髪型(なんというのかはわかりませんが・・・)の子をみかけ、「えっうちの長男、帰ってきているの?」なんて思うことがよくあります。街中には、長男に似た子が多いのかなとか思ってしまいますが、これもマスクゆえのことでしょう。マスクというアイテムがなければ見間違えることはないでしょう、たぶん。もっとも最近会った長男の髪の毛の色は黒ではなく、ほかの子と見間違えることのないようになっていましたが。
少しずつではありますが、以前の日常が戻りつつあります。今も運動会に向けて、鼓笛の練習をしている小学生たちの音楽が聞こえています。多くの観客の前で披露する鼓笛隊の姿は、小学生にとって思い出深いこととなるでしょう。一日も早く、子供たちの日常の行事が普通に行われるよう願うばかりです。
また、これからの季節、特に注意することについて、テレビのニュース取材で話をしていた小学生の言葉をお伝えします。
体育の授業でのマスク着用がなしとなった小学生の取材だった思います。それは「コロナより熱中症」です。すがすがしい顔で話していました。マスクなしの体育はとても楽しいものでしょう。これからの季節に注意すべきは熱中症です。もちろん感染予防は必要です。屋外での現場作業時にはマスクはいらないと考えていますが、マスク着用3年目の夏、マスクの着用の必要、不要については、環境や状況によって柔軟に対応したいと思います。熱中症にはくれぐれも注意し日々の業務を行っていきたいと思う今日この頃です。
(記事 大和支部広報員 遠藤 篤)