|
|||||||||||||||||||||||||||
奥にある境界標やブロック積みの切り口にある境界標など、ピンポールが立たないようなところの観測では、視通を確保するのに突き出しを作ったり、コンベックスで線を引いてオフセットをしたりと大変です。いろいろ工夫するのですが、時間がかかりますし正確に測れている確証が持てず何回も測りなおすこともあります。こんな時簡単にオフセット測定ができる治具があれば時間も少なく、より正確にできるのになあと常々考えていました。 きっかけは東京会の先生が独自に作ったオフセットの治具を使用したことです。ピンポールを2か所20㎝と40㎝くらいの部分を半分まで削って穿ち(※「うがち 、穴あけること」)小さなレフシートを貼ったもので、プリズム三脚に固定して使っていました。私も時々使いましたが便利でした。なんでも一部のTSメーカーにはTSと組み合わせて使う専用のオフセット治具があり専用ソフトもあったそうですが、値段が高いのでオフセット治具だけ自作したのだそうです。 一時は町工場に頼んでピンポールを削ってもらおうかとも考えていたのですが、なかなか気が進まずにいたところ、つい最近反射ピンポールというものを見つけました。四角い1mのアルミ棒の表面にレフシートを貼り付け、メモリを10㎝単位で印刷したものです。15,840円と若干高いのですが背に腹は代えられないのでまあいいかと思い購入しました。 一応従来のピンポールでの直接観測と反射ピンポールのオフセット観測を比較すると遜色ないようです。 丸いピンポールと違って、厚くて長いうえオフセットのたびに取りに行くので手間はかかりますが、これからは、狭い・見にくい・奥にあるというような箇所の観測ストレスがかなり減るのではないかと期待しています。 ちなみにメーカー推奨の水準器(2,000~3,000円程度)を外付けすれば通常のピンポールとして使えるようです。 写真《使用イメージ》
※本来の境界点から少しずらして撮影しています。 参考:通常のピンポールとの同一点観測で求めた座標の位置ずれ度合(R3.8.18実施)
上記座標は複数観測の平均値。それぞれの観測の平均座標からの標準偏差(距離)は 通常ピンポール:1点目0.00015、2点目0.00073 反射ピンポール:1点目0.00091、2点目0.00072
(記事・写真 横浜南支部広報員 畠山 主)
|