もう10年以上も前のことなので当時の自分が何を思っていたのか思い出せませんが、町田のツタヤで古今亭志ん朝の中古のCDを買いました。「品川心中」と「抜け雀」の2話が収録されたものでした。落語の知識は皆無なのでまったく適当に選んだのだと思います。あるいはテレビかラジオなどで誰かが勧めているのを聞きかじったのかもしれませんがそれも思い出せません。 「抜け雀」のほうは夫婦二人が経営する小田原の小さな旅館に一文無しの絵かきが泊まったことから、宿賃の支払いをめぐってごたごたする話です。それまで絵かきのことを邪険にしていた奥さんなのに、彼が宿賃のカタに残していった雀の絵に巨額の値がつくと、手のひら返しに態度を変えて再訪を待ちわびるくだりが堪らなくツボにはまってしまい、以来志ん朝のCDやDVDを買い集めました。車で遠出するときなどに聴いて泣いたり笑ったりしています。 特に「唐茄子屋政談」「文七元結」「芝浜」あたりが好きで何度も繰り返し聴いています。話の筋はもう分っているのに何度でも聴きたくなるのですから不思議なものです。どれも人気の演目なのでいろんな噺家がしょっちゅう演じていますが、やっぱり私は志ん朝が一番好きです。 そして恵まれたことに私の住む座間市にはハーモニーホール座間という大きな市民文化会館があって、大体1~2ヶ月に1回、土曜の午後に「ざま昼席落語会」が開催されます。初めに前座が一話、そのあと二人の真打や二つ目が二話ずつ交互に聴かせてくれます。昨年は近頃人気の柳家喬太郎も出演しました。それでいてチケット代は900円。回数券だと700円なのですからお得すぎます。ですがそんなささやかな楽しみも新型コロナのおかげでしばらくおあずけです。残念ですが仕方ありません。 先日、知り合いの調査士から現地の説明に動画を使っているという話を聞きました。遠方にお住まいであったり何かしらの事情で境界確認立会に来られない方に、現地の様子がよくわかるように撮った動画を送信しているそうです。図面や写真だけでは伝わりにくい情報でも、動画だったら分かりやすいということもあると思います。なるほどなあと目からウロコでした。 これからはなるべく人との接触を避けようとする世の中になるのだとしたら、ますますこういった工夫が必要になってくると思います。最近は割とご高齢の方でもスマホを使いこなしているのを目にしますので、受け入れてもらえる素地はできているように思います。 ところでお隣の大和市では全国に先駆けて歩きスマホを禁止する条例ができるようです。歩きスマホはどこでも危険でやってはいけないことですが、大和市に行かれる際には特にお気をつけいただければと思います。 (記事 大和支部広報員 菊池 敦)
|