神奈川県土地家屋調査士政治連盟 第1 7 回定時大会開催 ~ 空家等対策・災害協定に政治連盟が取り組む理由~ 神奈川県土地家屋調査士政治連盟会長 上田 尚彦 およそ2年前、神奈川県と横浜市が士業の各団体と空家関連の業務提携を 進めているという情報を得てすぐに確認しましたが、すでに土地家屋調査士 以外のほとんどの資格者団体と業務提携が完了している状態でした。 大急ぎで県や横浜市に対して交渉を行いましたが、そこでの回答は 「 土地家屋調査士は何をする仕事ですか? 」 「 土地家屋調査士という資格を知りません」 でした。私達が思っている以上に知名度が無い現実を思い知らされました。 「登記事務の地方移管」「規制緩和」は未だに死語になっていない中で、 これは土地家屋調査士制度の存続危機であると強く感じたのが、 活動をはじめたきっかけです。 空家対策、災害対策をテーマにすべての自治体、多くの議員の皆様に土地 家屋調査士の立場を超えた政策提案を積極的に行っていくうちに、向こうから 空家や災害に関する問い合わせを多く頂戴するようになりました。また協議会を 設立するにあたり、土地家屋調査士を委員として推薦してほしい、との依頼が 来るようになりました。 各議会で私達の提案したことを質問してくれる議員も沢山できました。 空家・災害協定をツールとして、自治体・議員にこれまでにはなかったくらい 深く密着することに成功しました。 現状ではこの活動の推進が会員の売り上げ向上に直接寄与しておりません。 しかし、各自治体の「調査士抜き」の状態からは脱出できました。 今後、さらに各自治体、議員の皆様から「現場力のある資格」 「政策策定に頼りになる資格」と認識していただければ、「最低制限価格」 「狭隘道路整備」をはじめとする自治体の側からすれば耳の痛い要望にも 今までとは違い、耳を傾けてくれることになると思います。 各市町村役場の職員の大半の人に土地家屋調査士の存在を理解いただけたら、 本来土地家屋調査士に発注されるべき業務を確実に受注できる可能性があります。 また、協議会や相談会に他士業と連携して積極的に参加することにより 「業際間競争」という醜い争いも少なくなると思料します。関心の高い空家や 災害対策の活動をすることにより市民の皆様への知名度があがると考えます。 近い将来に土地家屋調査士のためになる活動と信じております。 以下に今後の活動の基本方針を記します。 1 、政治連盟の目的 ・土地家屋調査士制度を守る ・会員の利益向上に寄与する 2 、政治連盟の活動 単に仲の良い政治家がいる ⇒ × 単に会合に顔を出している ⇒ × 特定の個人の利益誘導に励む ⇒ × これでは意味がありません! ! ! ・国・県・市町の政策に関して専門家集団として提案をする ⇒ ○ ・世の中の変化に敏感に反応し、それに即した提案をする ⇒ ○ 昨年、国、県、市、町の議会で神奈川政治連盟の提案した内容を議会で沢山質問していただきました。 3 、政治家への対応 大臣経験者だから・・・・ ⇒ × あの先生は有名だから・・ ⇒ × これでは意味がありません! ! ! ・私たちの提案に耳を傾け、一緒に勉強し、一緒に政策提案をしてくれる 「使える」政治家を選別します。 ・政治家の会合は「戦場」と認識して活動しています。 より多くの議員、他団体の人と話をし、必ず爪痕を残します。 4、今期の活動に関して ・会員の皆様に政治連盟の活動を知ってもらえるよう努力します。 ・支部と連携し、各市町村議員とのヒアリング・勉強会を開催します。 ・他団体との共同政策提案を実施します。 ・賀詞交歓会を継続して実施します。
平成29年5月30日の火曜日、横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで神奈川県土地家屋調査士政治連盟の第17回定時大会が開催されました。詳細は以下の通りです。 本年は、本会と共に370 名の参加による賀詞交歓会を多数の議員の出席を頂き、盛大に開催し、また昨年は、会員各位の協力により、初めて、政治連盟会員数が400名を超えました。しかしながら、未だ本会会員数の過半数に満たない現状は、土地家屋調査士制度の将来を託す政治連盟の基盤として甚だ不十分であります。今後もことあるごとに会員拡大勧奨を継続して進めていきます。また徐々に芽生えつつある政連活動の成果として、空家協議会への調査士の参加や広域連携災害協定の締結があります。業務独占規定に見合うだけの社会的評価を得るためには、本会は政治連盟と協力して、社会貢献活動の実績を積み上げていく必要があります。外に対して挑戦していく調査士会を政治連盟は助けていきます。 会費以外の寄付について、実績として28 年度金90,620 円の寄付を頂きました。ありがとうございました。しかし、まだまだお金が足りません。個人からの寄附は、政治資金規正法上年間上限150 万円まで問題ありません。可能な方は是非お願いします。 業務体制の整備として、「最低制限価格導入」については絶対にあきらめずに強く、強く要望していきます。 (議案書より転載)
(記事 副幹事長 中川 裕久)
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