横浜東支部では、平成27年9月9日に今年で4回目となる出前授業を神奈川県立神奈川工業高等学校にて行いました。今年は、台風18号が日本列島を通過するあいにくの天気の中での授業になりましたが、建築課の1年生、総勢77名(2クラス)の生徒に対して会員18名で協力しながら行いました。授業は、午後の5時限目と6時限目のそれぞれ約1時間ずつ、5時限目は教室で座学を、6時限目は屋内実習室に移動して、トータルステーションを用いた実習を行いました。 はじめの座学では、高橋信之支部長の挨拶からはじまり、住谷和典会員による土地家屋調査士の仕事の紹介、続いて東京会所属の新隆博会員による測量についての講義が行われました。 住谷和典会員による土地家屋調査士の仕事の紹介では、登記について触れ、実際の登記記録を用いて東京タワーが何階建てなのかを知ることができることなど生徒達の興味を引き立たせ、また、土地家屋調査士の年収が他の職業に対して決して低くないことにも触れ、やり甲斐のある仕事であることをアピールしました。 新隆博会員による講義では、測量を志す者がまずはじめに戸惑うであろう北と座標について、北には、建築基準法で重要となる真北以外にも、座標北、磁北があることや、X軸Y軸がこれまで学んできた数学とは違い、南北をX軸、東西をY軸にして考えることなど、初めて学ぶ者がまず知らなければならない測量のルールについて講義が行われました。また、6時限目の実習に繋がる、観測したデータから三角関数を用いて座標値を求める方法についても講義が行われました。
6時限目は、設備の整った屋内実習室に移動し、4班に分かれて実際にトータルステーションを用いた実習を行いました。 はじめに支部会員によるトータルステーションの設置や観測の仕方の説明があり、続いて生徒一人一人が交代で方位磁石の示す磁北を基準に角度、距離を観測し、得られたデータを用いて5時限目で学んだ計算式から観測点の座標値及び座標系を求めることを行いました。 また、実習の中で、実際の測量では器械だけではなく歩測も大切であることを説明し、土地家屋調査士の歩測精度の高さを伝えるべく、高橋信之支部長自ら歩測にチャレンジして生徒達が一様に驚き感心する場面もありました。 今回の出前授業をきっかけに、土地家屋調査士という職業に興味を持ち、土地家屋調査士を目指す生徒が多く現れることを期待して、今後も続けていきたい思います。 最後に、講師を快くお引き受けいただきました東京会の新隆博会員には心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。また、悪天候にもかかわらず参加し、熱心に生徒指導にあたった横浜東支部会員の皆様、お疲れ様でした。
(記事・写真 横浜東支部広報員 赤尾 茂)
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