平成26年2月25日(火)13時30分から17時40分まで、関内ホール(大ホール)において「平成25年度 第2回会員・一般研修会」が開催されました。
今回の主だった研修内容は、第1部 業務研修「東日本大震災に伴い基準点測量成果の公表が停止された地域における地積測量図の作成等に関する取扱い等について」ほか、及び第2部 講演「土地家屋調査士業務の希薄化と業態変更」になります。 研修会の開始に先立ち、岩倉弘和 会長から開会の辞として報酬額について、不動産調査報告書など調査士が勝ち得た権利について、及び研修の意義などについて語っていただきました。
第1部の業務研修は、最初に「日調連特定認証局の民間認証局への移行についての説明」について、大竹正晃総務部長より説明がありました。 これは平成23年11月に、土地家屋調査士法施行規則が改正され、連合会が提供する情報に基づき、他の認定認証事業者が土地家屋調査士であることを証明する電子証明書を発行することが可能になった為、経費の節減が見込める「電子署名及び認証業務に関する法律」上の認定を受けた民間の認定認証事業者に委託することが決まった事によります。 この電子証明書の切り替えは、現認証局で5年をかけて発行した10,000枚を超える電子証明書を、5か月弱の期間で発行するスケジュールとなる関係上、申込書が届いたら早期の申し込みをするようにと説明がありました。また、今年は会員証の有効期限が切れる会員が多数いるそうなので、補助者証と合わせて期限の確認をするよう説明がありました。
次に「東日本大震災に伴い基準点測量成果の公表が停止された地域における地積測量図の作成等に関する取扱いについて」石井幸世業務部長より説明がありました。 説明に先立ち「FネットNo.281 オンライン申請環境設定ソフト「らくらく」におけるJavaの設定について(注意)」について、また「FネットNo.278 不動産登記規則第93条の不動産調査報告書入力ソフト(Excel版)の改訂」につての説明がありました。 不動産調査報告書入力ソフトはExcelのバージョンにより、主にマクロ関係において不具合が報告されている旨、及び地積測量図の作成等に関する取扱いの内容に合わせた基準点関連の項目の変更も含めて今回リニューアルした説明がありました。公差表の追加や画像情報などについて、使い勝手の改善例を実際に操作しながら説明しました。
「東日本大震災に伴い基準点測量成果の公表が停止された地域における地積測量図の作成等に関する取扱いについて」では、市町村別基準点の測地成果2011移行状況と地積測量図への付記等一覧、及び地積測量図の記載事例などを挙げて、今までの一連の通知について、これらを総括すると共に、その経緯について説明がありました。 また、基準点について、被災地の例を挙げて世界測地系の座標系を使用する意義について、安易に任意座標(X100,Y100などの)表記を使用するべきでは無いなどの説明がありました。さらには地積測量図における基準点(与点)の表記方法(対象地から遠い基準点など)について協議した経緯の説明がありました。
第2部の講演は「土地家屋調査士業務の希薄化と業態変更」について、児玉勝平日調連業務部長より話がありました。 最初に、時代に合った調査士業務のあり方について、業務部として調査測量実施要領・規則第93条調査報告書の改訂についての検討内容など、将来を見越した取り組みについての活動報告がありました。 次に、土地家屋調査士業務の基盤である筆界についての話があり、その誕生の歴について写真を提示しながら説明し、筆界の科学的な判断についての話がありました。 また、今後の人口推移の視点から見た場合における新たな取り組みについて、今まで育った調査士の能力を発展させる既存の枠を超えた業務についての話がありました。 さらに今後加速していく技術的な視点から見た場合における既存のビジネスモデルの崩壊が、土地家屋調査士にも当て嵌まる可能性を示唆し、新しい業務サービスの創造など、次のビジネスモデルの模索についての話がありました。 第2部の講演内容は多岐に渡り、また時間の許す限り熱弁をふるっていただきました。
最後に朝岡道久副会長より、今回の研修内容の総括を交えた閉会の辞があり、研修会を終えました。今回の研修の講演をして頂いた講師の方々、及びその準備をしてくださった皆様に感謝を申し上げます。 (写真・記事 県央支部広報員 三枝 慎一郎)
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