平成25年9月19日㈭午後1時30分より、横浜市市民文化会館関内ホールにて平成25年度第1回会員・一般研修会が三部構成にて開催されました。 佐川祐介研修部長の司会進行により、冒頭岩倉弘和会長の挨拶の後、第一部業務研修が始まりました。
第一部の研修内容は「土地家屋調査士事務所形態及び報酬に関する実態調査について」となっており、餅田愼治副会長が講師を務めました。本調査は3年に1回、日本土地家屋調査士会連合会(以下、日調連)が実施し、その集計結果が今後の業務改善等に活かされるものでありますが、当日までの回答者数が非常に少ないとの報告がありました。調査票に回答記載の上郵送する手間が惜しいと思われている会員のために、日調連のホームページにアクセスしてWEBで回答する方法が紹介されました。実際に回答を入力しながら注意点等を説明されましたが、講師が口にされた「ゲーム感覚」という言葉のとおりだと思われました。調査結果が信頼の置けるものとするためにも、会員の協力を呼びかけられておりました。
第二部業務研修は「東日本大震災に伴い基準点測量成果の公表が停止された地域における地積測量図の作成等に関する取扱い等について」という内容で、石井幸世業務部長が講師を務めました。平成25年5月14日付けで横浜地方法務局より本会に通知された上記案件の不明確であった部分について、法務局と本会業務部との協議により明確化され後日通知される予定です。地震後に基本三角点等を用いた測量成果の場合で、「管理者等により公開されている成果が改定されているか否か」及び「その成果が基本三角点等としての要件を満たしているか否か」により、地積測量図の測地系の表記及びその余白の付記の要否並びに調査報告書の記載内容が異なるとのことでした。本通知は各市区町へも送付されますので公共基準点・街区基準点等の管理等について協力頂きたいところです。尚、本取扱いは平成26年1月6日以降の測量年月日に係る申請から適用されるそうです。
第三部は大阪地方裁判所・大阪高等裁判所所属専門委員である大阪土地家屋調査士会の西田寛会員による講演でした。「筆界確定請求事件等専門訴訟における土地家屋調査士の関わり〜専門委員制度について」という内容で、今後の土地家屋調査士の業務拡大を見据えて司法分野への進出を考察したものでした。
土地境界の唯一無二の専門家として登記申請だけではなく、筆界特定制度や筆界確定訴訟への積極的な関わりを勧めておられます。専門性が高度化した裁判において、それぞれの分野の専門家が全般にわたってサポートしていくのが専門委員だそうです。但し、あくまでもその分野についての分析・説明をするのであって、自分の意見を述べてはならないということでした。筆界特定手続きと筆界確定訴訟との連携の説明やご本人が専門委員として実際に関わられた訴訟の事例を具体的に紹介され、大変興味深い内容でした。 (記事・写真 横浜中支部広報員 川又 康司)
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