第34期 土地家屋調査士新人研修会
平成25年度 日本土地家屋調査士会連合会 関東ブロック協議会
平成25年9月28日(土曜日)から30日(月曜日)の3日間にわたって、東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館で開催された第34期土地家屋調査士新人研修会の初日を取材しました。この研修会には関東ブロックに属する東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、静岡、山梨、長野、新潟の各会から新人土地家屋調査士計146名、当神奈川会からは19名の参加がありました。筆者が参加した20年ほど前の新人研修は、1日限りだったことを考えると、内容がとても濃くすべては紹介しきれませんが、簡単に紹介します。 1日目12:30から18:40まで 1 会員心得、土地家屋調査士の職責と倫理 講師は日本土地家屋調査士会連合会 副会長 加賀谷朋彦氏 懲戒処分事例集を基に、実例を挙げながら注意喚起し、職業倫理や守秘義務の重要性を説明して頂きました。 2 筆界確認の実務 講師は千葉県土地家屋調査士会 業務部長 秋山昌巳氏 公図の成り立ちから筆界確認の具体的な手法などについての説明がありました。 3 調査・測量実施要領 講師は神奈川県土地家屋調査士会 副会長 餅田愼治氏 仕事上のトラブルを如何に回避し目的を達成することが大切か、体験談を基に仕事を進める上での留意点、研修や会員相互の交流の必要性などについての話がありました。 講義終了後、土地家屋調査士国民年金基金 理事長 海野敦郎氏より国民年金基金について紹介説明があり1日目は終了しました。 2日目9:20から17:15まで 4 不動産登記法・主要先例・オンライン申請・不動産調査報告書 講師は東京土地家屋調査士会 前研修委員長 内野篤氏 5 筆界特定制度と土地家屋調査士会ADR 講師は境界問題相談センター埼玉 前センター長 大谷和夫氏 6 土地・建物の所有及び利用上の規制関連法 講師は東京土地家屋調査士会 研修部長 佐々木義徳氏 7 報酬の運用 講師は神奈川県土地家屋調査士会 副会長 餅田愼治氏 2日目終了後、日本教育会館9階[喜山倶楽部]にて懇親会が開かれました。 3日目9:20から15:00まで 8 土地家屋調査士業務と法的責任 講師は東京土地家屋調査士会 顧問弁護士 山﨑司平氏 9 パネルディスカッション[土地家屋調査士の適正業務と報酬について考える] コーディネーター 東京土地家屋調査士会 副会長 原田克明氏、 パネリスト 群馬土地家屋調査士会 会長 堀越義幸氏、 東京土地家屋調査士会 顧問弁護士 山﨑司平氏、 境界問題相談センター埼玉 前センター長 大谷和夫氏、 東京土地家屋調査士会 前研修委員長 内野篤氏、 千葉県土地家屋調査士会 業務部長 秋山昌巳氏 最後に、筆者がかつて受講した研修で、もっともだったという話があります。それは今回の研修で餅田講師も触れておりましたが「同じ調査士の揚げ足を取らない」という話です。 測量依頼された仕事の隣地に、現場と整合しない地積測量図が出てくることがたまにあります。ここでこの測量図作成者の調査士に文句を言っても何の解決にもなりません。こじれて仕事が終わらなくなるだけです。問題を解決するのは仕事を依頼されたあなた自身です。依頼者に愚痴を言ってもいけません。なるべくおおごとにせず丸く収めるにはどうしたら良いか考えて下さい。悩んで下さい。それが資格者のやるべきことです。 この事例以外にも壁に突き当たることが多々あります。ここで直ぐに法務局へ相談に行くのはちょっと待って下さい。その前に同じ支部の仲間に相談してみてはどうでしょう?各支部には相談員という役務の支部役員が居るはずです。遠慮なく話してみてはどうでしょうか?直ぐに結論は出ないでしょうが方向性が分るかも知れません。 そして最後に法務局へ行く時には、自分はこうして解決したいがどうでしょうか? と一つか二つの案を持って相談して下さい。「どうしたら良いでしょうか?」とは決してやらないように、登記官に呆れられないようにして下さい。 偉そうなことを云いましたが理事の戯言と思って、新人諸君の記憶の片隅に留まれば幸いです。 記事・写真 広報部理事 野口 譲 写真 研修部長 佐川 祐介
|