8月4日(土)、土地家屋調査士会が出前授業開催校の生徒を対象に、大会に向けて測量技術指導を行った(社)全国工業高等学校長協会「高校生ものづくりコンテスト測量部門」神奈川県大会の競技会を観戦に行って参りました。 大会は県下工業高校の生徒が測量技術の向上を目指して、県立藤沢工科高等学校のグラウンドを会場に、全国一を目指して測量技術を競う競技会です。県大会は工業高校4校から6チームが出場し、1チーム3名が5角形・総延長150mの閉合トラバース測量を制限時間40分、内業を制限時間35分内に速さと精度を競います。 今年の神奈川県大会の栄冠は、県立磯子工業高校から2チームが出場した、男子1名・女子2名の前半チームが勝ち取りました。県大会優勝チームは関東大会に進み、関東大会の優勝チームが全国大会に出場して全国一を競います。ちなみに県大会の準優勝も磯子工業高校がワンツウを独占し、指導された先生と期待に応えた生徒の努力は称賛ものです。
土地家屋調査士会が技術指導した県立向の岡工業(川崎支部)・県立藤沢工科高等学校(湘南第一支部)は残念ながら優勝を県立磯子工業高校に譲りましたが、競技大会出場チームのレベルの高さに筆者は驚きました。一対回閉合トラバース測量を15~16分で完了(手元時計)、トラバース計算は手計算で11~20分と余裕で完了し、観測精度は1~2mm以内15万分の1くらいの閉合差でないと入賞は難しいと大会関係者から伺いました。
測量競技内容は、測量実務者からみて生徒の観測動作の一挙一動はきびきびとしており、美しさを覚えて感動ものです。筆者の日常業務では観測中にも、あれこれ考えごとをしながらダラダラしがちで、お手本にしなければと気持ちを改めさせられました。 優勝と準優勝の県立磯子工業高校の生徒に、競技大会までの道のりを伺いました。「動作も早く機械に慣れていますね、親の稼業が測量に関係していますか?」『いいえ、大会まで6月から放課後、測量と計算の練習をしました。』先生に、「ご指導の賜物ですね」『いやいや・・』言葉は少なかったですが、女生徒は日に焼けて努力の跡が窺われ、筆者には観戦を通じて初心に帰れと目が覚めるような競技会になりました。
また出前授業希望の先生から出前授業についてご意見を頂きました。「測量のことは学校で教えられるが、土地登記事項証明書が欲しいとき案内図から公図を閲覧し、必要な土地の地番を探すのに、住居表示やら土地の地番の違いなどは学校では教えられない」生の意見として、今後の参考にしたいと思います。
優勝チームの表彰式
本会が高校生を対象に土地家屋調査士制度広報のため「測量は測量士だけが道ではない、土地家屋調査士の道もあります」と始めた出前授業に最近その効果が現れ始めました。 多くの会員に支えられた出前授業から、調査士を目指す高校生を生み出し「土地家屋調査士への扉」を設けられないか、本会ではその窓口について検討を重ねていきます。 土地家屋調査士を目指す生徒諸君、高等学校就職担当の先生も交えて、私たちが土地家屋調査士への道筋を設けましょう。しかし何の職業にも楽な道はなく、土地家屋調査士「虎の穴」と思って、いつか一緒に国民のため不動産の明確化に寄与する道を歩みましょう。 暑い最中、全国一を目指して競技会に臨んだ生徒諸君、仲間と一緒に流した汗は尊いものと思います。関東大会に出場される県立磯子工業高等学校の選手諸君は、神奈川代表として全国大会でも仲間の分まで思いっきり汗をかいて下さい。私達は「さわやかな」ビッグニュースを待っています。 土地家屋調査士制度広報のため、お話を聞かせて頂いた学校関係者・生徒諸君ありがとうございました。また神奈川県測量設計業協会の皆様にもお世話になりました。 広報部長 有野拓美
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