全国の農業高校では、農業教育の一環として学校農業クラブ活動を行っており、今年は、県立吉田島高等学校を会場として、令和6年度平板測量協議会神奈川県大会が7月29日に開催されました。この大会は、神奈川県下農業高校の学生(選手)が集い、日頃の測量の学習成果を競う大会です。本年度は、相原高校、吉田島高校の2校で互いの測量技術を競い合うことになりました。この大会に県西支部の土地家屋調査士は、競技審査員の立場として参加させていただきました。
大会競技は、各校選び抜かれた選手3名が出場し、まず、屋外で平板を使用し、競技会場に設置された境界杭を道線法による境界線測量を行います。次に、巻尺を使用し、面積測定のための距離測定を行い、野帳に記録します。その後、屋内に移り、屋外作業した記録に基づき、三斜法、三辺法(ヘロンの公式)による面積算出、図面を仕上げ、その測量精度を競います。以上の屋内外の作業を制限時間57分の中で行い、チームワークが試される競技となります。因みに大会当日の屋外作業は、気温34°前後の炎天下の中で行われました。
我々審査員は、作業開始の合図、各作業に不正は無いか、制限時間内か、選手がまとめ上げた成果を総合評価するといった重要な役割を担いました。各校とも作業開始から手際が良く、炎天下にも関わらず、制限時間内に作業を終え、面積計算も目立った誤りが無く、かなり精度の高い測量成果を出していました。審査員も正直、各校の測量技術の高さに驚かされた次第です。最終的には、主に、作成した図面の細かい部分での審査判断となり、僅差でより正確な測量をした相原高校の選手が勝る結果となりました。
神奈川県大会で勝利した相原高校は、10月23日に行わる全国大会(岩手県花巻市)に出場が決まり、全国大会でも是非とも実力を発揮して上位入賞していただきたいと思います。また、将来、その得た技術を土地家屋調査士として活躍していただければ、これ以上嬉しい事は無いので、入会者が誕生するのを心よりお待ちしています。
最後に、この様な大会の審査員としてこの場に立会えたことに感謝致します。何故か審査時に、土地家屋調査士試験を受けている建物図面、地積測量図を作成している自分の姿が脳裏に浮かび、とても懐かしく感じました。初心に帰って、日々の業務をしっかりと遂行したいと思います。
審査員長開始合図
設置杭
踏査状況
平板測量状況(古田島高校)
平板測量状況(相原高校)
審査状況
表彰式
(記事・写真 県西支部広報員 山口 亮)