平成26年3月12日の水曜日、相模原支部では神奈川県立相原高等学校(以下、相原高校)で初めての出前授業を行いました。相原高校はJR横浜線橋本駅前にある農業高校で、支部会員の中には同校の卒業生も数名います。最近ではリニア新駅の建設予定地としてニュースになったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。対象となる生徒は環境土木科の2年生、38名です。環境土木科は造園業に就職する生徒が多いそうですが、測量の授業があり測量士補試験の受験希望者もいるとの事でした。 筆者も相模原支部の所属会員として神村支部長、同校卒業生の矢島副支部長、制度対策特別委員副委員長の加藤会員らと打ち合わせの段階から参加しました。授業時間は9時から11時30分までの2時間半ということで、30分間は土地家屋調査士の資格と業務に関する講義を行い、残り2時間は屋外で実習を行うことにしました。 実習内容は検討した結果、学校側から「測角のみの測量器(セオドライト)しかなく、実習では巻尺で距離を測っている」「社会へ出て測量に触れる機会があった場合、実習と実務でギャップがあると生徒が気の毒だ」「生徒に最新の測量器を見せたい」との話があったため、普段実務で使用している測量器に触れてもらうことを主目的に、“逆打ち(測設)”を行うことで落ち着きました。 これは計算書を見ながら測量器械を操作し、直径3mの星型の頂点と交点の10点を現地に杭(鋲)打ちし、最後にロープを張って形状を確認するというもので、県西支部などが行っているものです。また「最新の測量器を」との要望に応えるため、GNSS(GPS)測量器と、モーターが内蔵された自動追尾機能付きトータルステーションも準備し、デモンストレーションを行うことにしました。 当日は天気も良く、ほぼスケジュールどおり行うことができました。わずか2時間半の時間でしたが、30歳近くも歳の離れた生徒たちと“測量”という作業を通して同じ時間を共有することができたと思います。時間配分や天候の心配など確かに出前授業は疲れます。しかし無事に終えた後に待っていたのは、心地よい疲労感と充実感の入り混じった、仕事では味わえないちょっと不思議な達成感でした。 (記事 広報部長 中川 裕久) (写真 制度対策特別委員副委員長 加藤 照士)
|