全国の農業高校で組織する日本学校農業クラブ連盟では毎年、平板測量の技術を競う平板測量競技会を開催しております。今年は神奈川県立平塚農商高等学校を会場とし7月28日に神奈川県大会が開催されました。
この大会は日頃の授業等で培った平板測量の学習成果を競う大会です。神奈川は毎年2校で競いあっておりましたが今年は普段、測量の授業が行われていない学校も参加し神奈川県立平塚農商高等学校・神奈川県立吉田島高等学校・神奈川県立相原高等学校・神奈川県立中央農業高等学校の4校で競技が行われました。
神奈川県土地家屋調査士会を代表し湘南第二支部・県西支部より6名で競技審査員として参加させていただきました。
大会の流れ
①器具点検
②踏査
③第一次作業
グランドに予め6点杭が打たれており測点6点の閉合トラバースを行います。
④第二次作業
6点ある各測点間の距離と決められた対角線の距離を測定しオフセット野帳を作成します。
⑤第三次作業
2班に別れ教室内で作図と計算を行います。
作図班は第一次作業の測量原図を基に三角スケールを使い底辺・高さをよみ三斜法で面積を求めます。
計算班はオフセット野帳から三辺法(ヘロンの公式)により面積を求めます。
平板測量競技は器械手と測距手の3名が協力し時間制限内に、どれだけ速く正確に測量(測量技能と測量精度、図面仕上げと面積計算による面積較差)ができるかを競う大会です。
・開会式にて審査員長挨拶・競技指示事項の説明、審査員紹介
①器具点検
使用する器具を審査員・選手で確認しました。
②踏査
審査員の誘導で踏査を行う選手達。杭を通過する際に指差し確認をし杭Noの共有を行う。
また競技で使用できる巻尺は30mの物なので歩測により中継点が必要な箇所があるか確認しているグループもありました。
③第一次作業
審査員長による開始合図により競技スタート
測量の授業が無い学校も参加していたので少し心配していましたが、各校共に慣れた手付きで据付けていました。たまに風が吹き、下げ振りが揺れてしまい苦戦している姿も微笑ましく感じました。
競技終了後に審査員と選手による点検が行われます。最終測点の観測を選手が位置を合わせ審査員が確認しズレが無いか確認します。その後、閉合誤差の値を記録します。
選手の中には、なぜ閉合誤差がでてしまったのか審査員に質問し、その場で原因を追究する学生もおり高校生がまっすぐな気持ちで作業に取り組む姿勢に感銘を受けました。
④第二次作業
審査員長による開始合図により競技スタート
30mのエスロンテープを使いオフセット野帳に記入します。誤記入を防ぐため復唱したり、ポールや測量用ピンを使用し「ポール1本前」・「少し自分側に」「OK!!」など互いに声を出し指示を出し合ったりしながら機敏な動きで作業を行っていました。
⑤第三次作業
第一次作業の測量原図を基に2名で三角スケールを使い底辺・高さを作図し三斜法で面積を求めます。普段、勉強している形と相違していたようでケアレスミスがみうけられました。
1名はオフセット野帳から三辺法(ヘロンの公式)により面積を求めます。競技ということで、急がなければと気持ちが焦り、どのチームも面積較差が大きくでてしまいました。
・閉会式で審査講評、最優秀賞の発表
審査員長より1日を振り返り審査項目に無い部分も含め良かったところ、気を付けた方が良いところ等、いろいろなアドバイスを送りました。
勝敗にこだわらず切磋琢磨しながら競技と向き合い協調性・集中力・コミュニケーション力を身に付けた、この経験を大切にしてほしいな。と思いました。
(記事・写真 湘南第二支部広報員 矢野 貴之)