【新入会員紹介】川崎支部 石黒 太郎 会員

53歳

もう若くはない

 

 

学校を卒業して、知人の勧めでなんとなく住宅販売の会社に入社した。

土地家屋調査士という資格を知ったのはその頃である。

よく売れたし、良い仲間にも恵まれた。

先のことなど全く考えもしなかった。

現状が良ければそれでよかった。

ただ、少しだけ何かが足りないと、ぼくは感じていた。

 

色々な人に会った。

その中にいつも楽しそうにしている調査士がいた。

外で測量をしているという。

自身の仕事に誇りをもっていた。

その業務や役割について熱心に教えてくれた。

歳は二回りも違っていたが、瑞々しい少年のような人だった。

面白そうな仕事だなと興味をもった。

 

40半ばになったころ、足りないと感じていたものは大きくなっていた。

特に不満があったわけではない。

寧ろ充実していたように思う。

お客様に恵まれていたし、色々な場所に赴任して多くの経験をさせてもらった。

 

何度も転勤はあった。

赴任した先には必ず調査士がいた。

どの調査士も社交的で表情はやわらかい。

皆、眼が輝いていた。

仕事や趣味の話をしてくれた。

話が上手な人ばかりではなかったが、話を丁寧にしてくれる人ばかりだった。

 

熱心に教えてくれた、あの調査士を思い出した。

いつも楽しそうにしていた、あの調査士のこと。

ぼくはあの調査士のようになりたいと思った。

ぼくは足りない何か(破片)を探しにいく決心をした。

 

 

 

新しいことを始めるのに遅すぎるということはないと信じている

一つ一つ丁寧に、誠意をもって進めていきたいと思います

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