「街の先生 一日体験講座」に出席して

皆さん、二宮金次郎の銅像を自宅の庭に大切に置いていらっしゃる有名なスポーツ選手は誰でしょう。こんな質問から講座は始まりました。

11月29日に横浜市南区浦舟町の、みなみ市民活動センターで一日体験講座が開催され参加してまいりました。今回のテーマは「二宮尊徳を通じ経済を語る」で3人の街の先生が講師となり、経済の側面から二宮金次郎の功績を検証しようという講座でした。
先ほどの質問の答えは長嶋茂雄氏です。この話は知る人ぞ知る話で、現役時代に日々の努力、精進を自らに課すため設置したものです。私は答えを知っておりましたのでその場は黙っておりました。

まず初めに、旅行会社のOBである酒井衛さんが、二宮金次郎の各地域でおこなった農業生活改善運動とも呼ぶべき「芋こじ」や、一戸一票主義についてお話されました。また、金次郎の像は少年時代のものであるため、大人になったイメージの想像がつきませんが、実際は身長が180cm以上あったそうです。このように身近な実像が話され親しみやすさを感じました。

次に横浜商業高等学校の元教員であった箕輪京四郎さんが、わが国の農業と食料の関係を二宮尊徳の「分度」の考えを元に、現在の状況について話されました。特にその自給率の低さは、所謂先進諸国のなかで最低であり「分度」を無視したかつての工業化政策の付けが、今私たちに廻ってきているとのことです。農業の衰退は農協の商社化に伴い、肥料や農薬、機械や種苗に至るまで農民を管理するに至っているのが現実だそうです。ここにおいても「商人は買い先、売り先の楽しみをもって楽しみとする」という二宮尊徳の教えが話されました。


最後にファイナンシャルプランナーの滝田知一さんが、金融工学の学者によって生み出されたサブプライムが実体経済の30倍で運用され、世界の資金がアメリカに集中される仕組みが破綻した現在、我々の未来に向けて「経済を伴わない道徳は戯言である。しかし道徳を伴わない経済は罪悪である」という二宮尊徳の教訓が、現代社会にも生かさなければならないと締めくくられて、体験講座が終了しました。



今回、広報部の制度広報事業として企画していている「二宮金次郎を探せ」について、少し違った角度からいろいろなことを知ることができました。

広報部長 藤野
 二宮金次郎企画 トップに戻る



神奈川県土地家屋調査士会
〒220-0003 横浜市西区楠町18番地