平成22年度新入会員研修会が平成22年8月28日(土)午前9時30分から午後5時まで、平成22年度に登録された会員を対象に開催された。
朝から猛暑で、各会員はおのおの初対面で緊張感も感じさせましたが、今後土地家屋調査士として業務を遂行する意気込みを感じた。
午前2科目、午後1科目を土地家屋調査士役員が講師で受講し、最後にグループ討論を行った。6時間半のこの構成は過密で、受講された新入会員には酷にも見受けられたが、各人熱心に聞き入っていた。
研修部平野次長の開催の挨拶後、佐川研修部長から本日の研修内容についての説明を始めに、海野会長、餅田副会長、伊東常任理事、諸星理事、柳田理事等役員紹介、新入会員11名の挨拶をされた後、佐川研修部長から土地家屋調査士倫理規程の講義が始まった。
不動産の表示に関する登記に必要な土地家屋調査士の業務の責任の重さを使命とする意味の重大さを、各新入会員は聞き入るようにしているのが、印象的であった。
5分間の休憩後、伊東総務部長による業務の懲戒処分もしくは注意勧告例、職務上請求用紙の取扱いについての注意事項等説明を行った。
懲戒処分例として、処分された資格者とは別の測量会社の役員である人を補助者として登録し、業務はその補助者に任せ領収書もその測量会社の名で発行していた案件など取り上げられた。
職務上請求用紙は士業に与えられた特権であるので、安易に持ち歩かないよう、管理に気をつけて紛失しないよう充分注意するよう説明していた。また、業務を遂行する上で、依頼人に対する言動、服装などにはくれぐれも注意して欲しい事も発言されていた。
12時から1時間休憩中 新人会員同士名刺交換をされていて、今後の土地家屋調査士会を担う人材としての期待度を垣間見た。
午後からは餅田副会長が、業務から見た報酬の考え方についての講義が開催された。事務所開業時での最低でもそろえなければならない備品をカウントして平均して1日どれだけ売り上げをしなければ、事務所として維持できないかを説明した。
また、一宅地の道路確定済、水路未査定で立会人3名の場合の土地地積更正・分筆登記のケースでの適正な報酬額を事例として取り上げて、適正な報酬を得ることは、業務の向上の為にも大事である旨の説明をした。
仕事が欲しいが為にダンピングしてでも仕事を得ることは、仕事が乱暴になり将来に不安を残すだけである。適正な報酬を得ることは、裏をかえせばそれだけ重責を負った業務であるという認識を各人とも自覚する事が大切であると説明した。
午後3時から土地家屋調査士業務のグループ討論に移り、まず土地家屋調査士倫理規程の確認小テストを行った。
その後、土地家屋調査士倫理規程について諸星理事を司会に、名義貸しの件、補助者任せの業務の件、測量会社との関わり等の討論について議論した。過去の処分事例も掲げ、新人会員に事の重要性を伝えた。登記所での補正事務、相談は本来本職だけに与えられた権限でありますが、実際には補助者が殆ど行っている件についても議題としてあげられた。
そして、土地家屋調査士の業務に関しての疑問点・相談事に移った。
依頼人から仕事を請けても、隣接との対人関係が良くない場合等あるので隣接のご挨拶は、依頼人と共に行く事が大切であるとか、立会いした場合は画像で残すとか、なんらかの方法で残す事は大切であるといった内容が取り上げられた。また、立会いに応じない人に対しての対処方法についてアドバイスした。
既に決まっている境界線の再確認が管理行為に対して 新規に境界線を確定するのは処分行為であるので、所有者が多数いる場合は原則 全員が立会いしなければならない等の事が事例としてあげられた。
建物の新築し登記出来る段階はどういう時?という新入会員から質問があり餅田副会長から具体的な事例をあげて、説明した。また、諸星理事から本会の会合、研修会等あった場合は積極的に参加するようにとのお願いの要望があった。
新入会員もただ聞き入るだけでなく、先輩調査士に積極的に質問するなど、取材していて非常に頼もしく思えた。
今後非常に期待を持たせる新入会員研修会であった。
横須賀支部 菱沼 和久
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