10月3日、土地家屋調査士全国大会が日比谷公会堂で開催されました。今回は地籍シンポジウム2010と題して地籍について、いろいろな観点から講演やパネルディスカッションが行われました。
本年は土地家屋調査士法制定60周年、表示登記制度創設50年にあたります。
第1部では、元法務省民事局長の清水湛氏が、制定当時より今日までの苦労や思い出話、また今後の展望などを講演されました。
第2部では、地籍と法制度と題して早稲田大学次期総長の鎌田薫氏が講演され、パネルディスカッションは早稲田大学教授の山野目章夫氏がをコーディネーターとして意見が交換されました。
山野目先生によると、地籍調査をすることの必要性について、「必要である」という概念を、国民全体で共有することが重要であるとのことでした。
また、パネラーとして参加された元国土交通省国土調査課長の鮫島信行氏から、地籍調査の現状や問題点について説明がありました。
その中で、一筆地調査については土地家屋調査士が適任であり、今後も地籍調査を推進するために力を発揮して下さいとのことでした。また、今の予算規模でいくと終了するまでに140年かかるそうです。
また、その他のパネラーの方々からも、興味深いお話がたくさんありました。
大会の最後に、我が神奈川会の海野会長が「境界殺人 正義を測れ」の作者である小杉健治氏と、インタビュー方式で話をされました。小杉氏が本を書くにあたり、何人かの土地家屋調査士に接してこられたようですが、氏いわく調査士は人間性が豊かで趣味が多い。境界問題について、常日頃苦労することが多いからでしょうと。
ドラマ化が決定したこともあり、土地家屋調査士の知名度が飛躍的に上がることを期待しましょう。
(記事 相模原支部 朝里 孝浩)
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