横浜南支部 支部研修会の報告


平成21年9月17日(木)、上大岡の「ゆめおおおかオフィスタワー」ウイリング横浜研修室にて横浜南支部研修会が行われました。テーマは「境界問題相談センターの手続と調停事例」、講師に、センター発足当初からその運営に尽力された、菅原啓一会員、大須賀裕人会員を招き、講義をしていただきました。

境界問題を解決するための代表的な手続きである、裁判・筆界特定・ADRの各特徴や、境界問題固有の要件について、研修を受けました。



日頃から土地の境界確認業務を行っている土地家屋調査士にとって、境界のトラブルは頭の痛い問題であり、どの様に解決するか悩みます。

また依頼者と隣接者との普段の生活から生じる相隣問題、例えば騒音や隣の落ち葉がこちらの敷地に入る、果てはゴミの出し方等の原因が元で境界問題まで発展するケースもあり、そうなると問題を解決することはさらに難しくなります。
そのような時、裁判や筆界特定制度の利用を考えますが、依頼者は半ば強引に境界を決められることにより、相隣関係を悪くするのではないかと心配することになります。
境界問題相談センターでは、お隣り同士の関係が悪くならないように注意を払いながら、両者が納得する結論を出せるよう努力されているとのことでした。
また、調停の場には弁護士も調停委員として同席するので、境界問題と共にお隣同士の問題も解決することができるのではないかと思いました。
過去に行った調停事例について、所有権界の合意で終了した例や、交換の登記までした例などを伺いました。



土地家屋調査士は、職務上どうしても境界の確認にこだわってしまいますが、境界問題を解決することのみにに執着せず、当事者の本音を含め解決できるところに境界問題相談センターの存在価値があるのだと感じました。

横浜南支部 広報担当 荒川原乗
戻る


制作・著作 神奈川県土地家屋調査士会
〒220-0003 横浜市西区楠町18番地