平成21年8月28日(金)13時20分よりホテルKSPにおいて、川崎支部研修会がおこなわれました。太田康一新支部長となってから最初の支部の行事でもありました。
太田新支部長のあいさつのなかで、来年1月より建物表題登記のオンライン申請による登録免許税の減免措置が始まることにより、できませんでは済まない状況になってきた事。また、今年の土地家屋調査士の受験者数が7200人にまで減っている現実を伺い、若い人にとって調査士の仕事が魅力あるものに見えないのかと考えさせられました。
研修会は3部構成で、第1部では横浜市青葉区で開業されている奥原会計士をお招きして「楽しく学ぶ税金の話」と題して調査士に関係する税のお話をいただきました。
具体的には土地家屋調査士法人にした場合の事務所経営に関する節税効果のことや、顧客の固定資産税や不動産取得税・贈与税と控除・不動産の交換の要件の他物納申請に関する、私たちが業務上普通に知っていた方が良い事ばかりでした。
奥原先生の経験談を交えた軽妙な語り口に引き込まれ、時間が短く感じる程楽しく聴かせていただきました。
第2部では「昔を知れば未来が見える」と題して、私たちの大先輩である白石晴介会員から調査士制度発足の歴史にそって、神奈川県土地家屋調査士会や川崎支部の誕生と歩みを話していただきました。
昭和初期に制度発足のための国会請願がなされたこと、戦争による中断、戦後の法制化と調査士会の誕生など昔の先輩方の努力やご苦労を白石会員自身の経験や調べた事をもとに解説していただき、とても興味深く伺いました。
また厳しい時代に生きる私たち調査士ですが、諸先輩方の努力が生み出した調査士制度を継承し、守りさらに発展させていくべき責任を感じました。
第3部では渡部副支部長が司会となり、支部会員の中から30代から60代後半の世代を代表する5名の会員がパネラーとして、会場の会員と応対しながら時期に沿った議題をもとにパネルディスカッションをおこないました。
議題は日常の業務に関する疑問点や、どう営業すれば仕事が受注できるのか身につまされる答えの見えない議題もありました。
会場の会員を対象に境界立会いの際に、事前現況測量を行うかどうか動向を調べた所、若い世代の会員は事前現況測量を実施してから、ベテランはいきなり立会いに望む方法に分かれた事は興味がありました。
注目したのは一会員の営業方針ですが、隣接地に立会い案内を行う際も顧客と一緒に訪問し、業務が完了したら必ず隣接者にお礼状を出す事も大事な営業であるという話があり勉強になりました。
今回の支部研修会は、主催者が情報を提供する一方通行型と異なり、新執行部の試みとして双方通行のできる研修会となりました。
今回は3部構成で時間の都合もあったと思いますが、会場からは質問の時間を多く取って欲しい。パネラーや会員の方も模範解答だけではなく、ベテラン調査士の問題処理の方法や意見をもとに研修できれば良いと思いました。
川崎支部広報員 林 健二
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