平成21年度の第1回会員・一般研修会の報告
平成21年度第1回会員・一般研修会が平成21年9月3日(木)藤沢市民会館大ホールにおいて、実施されました。
佐川研修部長から研修次第について説明があり、その中でCPD制度の概要と会場の受付の方法が午前・午後の2回に変更されました。
海野会長からの挨拶で、今回の研修が横浜地方法務局や各自治体職員、関東ブロック協議会管内の会員も含めた一般研修である旨の説明がありました。



今回の研修は3部構成で第1部が「不動産登記法第14条地図作成事業と土地家屋調査士の業務について」で講師は中山正前副会長と村田茂昭業務部次長が担当しました。この地図作成事業は、国民の不動産の取引の正確を期す意味からも、きわめて重要な事業であり、いわゆる地図混乱地区の住民にとっては長年の要望でもあります。

今回の事業規模が2工区合計で55万㎡、3659筆と単年度事業としては、全国的にも類を見ないほどの大規模事業であったことが説明されました。土地家屋調査士57名と延べ従事者3700名で、筆界未定率がわずか0.2%であったことが報告されました。実務例としては関係官公署の窓口担当者を専任にしたことや、16ブロックの各班がすべての作業区分を一貫して対応したことにより、地域との信頼関係がスムースに結ばれたことなどが話されました。

他の地籍調査事業等においては、このような成果は得られておりません。この事業達成の質の高さこそが、我々土地家屋調査士の誇りではないかと感じました。全国的にも第14条地図作成事業に対する、信頼と評価を高めたのではないでしょうか。本事業に携わった川崎地区を中心とした土地家屋調査士をはじめ関係者の方々に、この場を借りて敬意を表したいと思います。

第2部は「オンラインによる申請業務への対応〜現状と課題〜」として主に会員向けの研修を、原田克明関東ブロック協議会オンライン促進組織リーダーが講師となり担当しました。
まず不動産登記法第18条では申請の方法として、いわゆるオンライン申請が本来の方法と規定されていることが話されました。その後は、不動産登記令第5条による、いわゆる半ライン方式が現状として活用されている事を、連合会のパンフレットによる4段階の説明図版を使って説明されました。
また、租税特別措置法第84条の5による登録免許税の特別控除のように、何より一般国民である依頼者にとってのメリットが反映されなければ、国の施策としてのオンライン申請の理解は得られないと思いました。



第3部は「土地家屋調査士倫理規程」について、関根一三連合会副会長が講義をおこないました。国民から開かれた専門職能者として、土地家屋調査士に求められる社会的責任について、またその倫理観の具体像について解説がありました。
その後、倫理規程条文と懲戒事例を対比しながら、常に高い規範を持ちながら職責を果たすようにと話されました。

なお、当日の参加者は、会員と一般を含め約400名でした。

取材 広報部長 藤野 寛

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