平成20年度第1回会員・一般研修会

平成20年度の第1回会員・一般研修会が去る4月24日の午後1時40分より藤沢市民会館(大ホール)において開催されました。

今回の研修のテーマは「会員が必要とする筆界点測量」と「公共基準点使用の細部測量」の2本立てでありましたが、双方のテーマが密接に関連するためレジュメも1冊にまとめられており、プロジェクタを併用した、分かりやすい研修を目指していたようにおもわれました。
当日は小雨が降り始めるあいにくの空模様のなかでしたが、出席者数は476名と会員総数の5割強で補助者の参加は112名で会場はほぼ埋め尽くされ、テーマに対する意識の高さをうかがわせるものでした。

岩倉研修部長の司会により研修会が始まり、まず関会長のあいさつがありました。その中では特に職務上請求用紙の不正使用の事例について話があり、その取り扱いについては各自が十分注意するよう、また使用簿へ記載をおこなうようにとの事でした。
さらに新職務上請求用紙の切り替えについては、その使用目的の範囲の明確化や実施の時期等をふくめ、本会から連合会への手続き方の状況説明も併せてされました。



当日もおこなわれた会員証のバーコードによる受付も、だいぶスムースになったようですが、まだ約100名近くの会員が新会員証への切り替えが未済とのことで、早期に全員が変更手続きをされるよう要請されました。

続いて「会員が必要とする筆界点測量」について、測量指針検討委員会を代表して奥田一高委員長が解説されました。同委員会は本年2月に理事会の諮問を受け、答申をマニュアル(案)として作成し、当日の報告が最終答申にあたるとのことでした。特に地積測量図作成フローによる作業の流れのポイントについて解説されました。

その後「公共基準点使用の細部測量」をテーマに日本測量協会関東支部常任幹事である酒井靜先生による解説がレジュメに沿ってなされました。

まず測量の規定について説明があり、測量法にもとづく「作業規定の準則」が本年3月に全面改正され、基準点測量はその準則に則っておこなわなければならないと話されました。

つづく細部測量については、国土調査法にもとづく「地籍調査作業規程準則」と「同運用基準」によりおこなわれるものであるとし、大きく分ければ、この2つの準則で測量の規定は運用されると解説されました。
中でも我流の測量については測量成果の標準化から、おこなってはならないことが注意点として強く求められているとのことです。補正計算の結果による0と、補正計算をしない0とでは成果としての0の意味合いがまったく相違することを例に述べられました。

その後基準点測量に関しては、概ね4級基準点測量に沿った事例解説がなされ、的を絞った説明であったと感じました。

次に細部測量の解説に移り、われわれ調査士がもっとも使用頻度が高いと思われる補助基準点測量の解説がおこなわれました。
基準点の点検測量から配点や次数の説明がプロジェクタを使用しておこなわれましたが、レジュメに記載されなかった文面で必要なものについては、後日ホームページ等を利用して会員に配信する旨、終わりに岩倉研修部長が話されました。



最後に恒久的な地物による測量によらなければならない場合の諸条件について説明がされ、また、新たな地積測量図作成の要点にも触れられ研修は終了しました。

理事会の諮問を受け、答申として「公共座標に基づく地積測量図作成マニュアル(案)」を作成された、測量指針検討委員会の各委員の方々、また外部専門家としてご協力いただいた酒井靜先生には本当にご苦労様でした。この場をお借りしてお礼を申しあげます。

閉会に当たって、中山副会長より総評があり、不動産登記規則に拠っても、公共座標に基づく地積測量図を作成することが基本となっており、会員各位は各市町のホームページ等で使用条件を確認し、誤り無きよう実施に当たってほしいと話されました。
また、東京局管内の動向と横浜局の実施情勢について注意深く見極めているとのことで閉会しました。

(取材 広報部 藤野 寛)
(写真 広報部 高澤孝一)

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